Yさんからこんな質問をいただきました。
「私は写真について素人なのですが、本格的な撮影について学ぶには何から始めればよいのでしょうか?」
プロになるためを前提に話をしますが、いくつかのパターンがあると思います。
1)もともとなんらかの才能があり、すでにある種の自分の写真というものを持っている人の場合、写真やアートのコンペティション(コンクール)に応募する。それらでいくつか賞を取れば(入賞クラス以上)必然的に業界の人間の目にとまり、そのままデビューという形もあります。独学で勉強してとにかく良い写真をたくさん撮る。
2)写真学校に行って写真の基本を習う。学校に行けば全てが解るようになる訳ではないですが、基本的な事は教えてもらえます。しかし、これはあくまでも学校なので実践的なことを教えてくれる学校はあまりないかもしれません。僕が思うには最近は、デジタルの発達により、写真とアートの境界線がなくなってきたので、これから始める人はデジタルの知識も必要なってくると思います。
3)スタジオに入ってスタジオマンとして働きながら写真を勉強する。これは、より撮影の実践が勉強できます。スタジオというのはプロのカメラマンはほとんどレンタル・スタジオを利用して撮影をしていますので、そこで働きながら写真を覚えていくということです。有名カメラマンがよく利用するスタジオとかファッション系、物撮り系のスタジオとか、そのレンタル・スタジオによって違いがありますのでそのスタジオの傾向を良く調べる必要があると思います。また、カメラマンの仕事はスタジオ撮影だけでなく、ロケ撮影もありますので、ロケ撮影の手伝い(ロケ・アシスタントといいます)に行くシステムがあるスタジオだとなお良いと思います。
4)プロカメラマンのアシスタントになる。だいたいは写真学校を出てからとか、スタジオマンを経てからプロカメラマンのアシスタントになることが多いですが、まったく経験のない人でも使ってくれるカメラマンもいるようです。これは撮影の実践からカメラマンの仕事の流れまでをすべて勉強できます。ただ、カメラマンによって仕事の内容がかなり違いますので、自分のこれからやりたい写真に近いカメラマンを見つける事をお勧めします。しかし、人気カメラマンはアシスタント希望者が多いですから、やはり経験者の方が有利でしょう。
写真の場合プロになるには、このパターンというものは実はありません。良い写真(この良い写真の定義が難しいのですが、その時代に求められている写真ということにでもなるのかな?)を撮ることができればいつからでもプロになれます。しかし、それには才能もありますが、やはりいつも目的意識を持ち、いろんなこと勉強し、絶対にプロになるという努力と根性?が必要だと思います。才能というものは同じ人間である以上それ程の差はないと思います。やはりそれを成し遂げる為にどれだけ頑張れるかで大きく違ってくるのです。天才と言われる人も影では並々ならぬ努力をしているものです。
最近、若くして華々しくデビューしている人たちも多くなってきましたが、みんな写真キチガイですね。彼らも四六時中写真のことを考えて生きています。
ちなみに僕の場合は、学校(日大、芸術学部写真学科)在学中に賞をいくつかとって、20才くらいからプロとして仕事をしてきましたので、ほとんど独学です。
写真関係の雑誌では玄光社とういところから出ている月刊誌でコマーシャル・フォトという雑誌がありますが、そこに写真やその関係の情報(求人等も)が出ています。