最近の出版不況を反映してか、デジタル撮影に関する経費について大手出版社でも問題になっているようだ。
デジタルカメラの使用料(レンタル代なども)、オペレーター代、カメラアシスタント代、画像処理代、出力見本やメディア代に至るまで、ほとんどの経費を支払うことができなくなるようだ。
アナログ時代には当たり前のように支払っていたフィルム代、現像代、(ネガ撮影の場合はベタプリント代やプリント代)を考えると、そこまで経費を削減しないとやっていけない出版事情が恐ろしくなる。
撮影料だって僕がフリーになった頃は、編集ページで3万のならび(¥33,333)が普通だったのに、今では1.5万の税込みが標準になっている。ましてやタイアップ料金などもどこかに消えてしまった。
デジタル機器はアナログカメラとは違って、10年も使える訳ではなく、がんばっても3年が限度で、カメラ一式の他にパソコンや周辺機器も同じサイクルで買い替えていかなければならない。
デジタルでは雑誌の仕事は現像、レタッチもカメラマンがすることになる。レタッチは程度にもよるが、カメラマンが写真のクオリティを上げようとすればするほど、撮影時間よりも時間がかかこともカメラマン以外は知るすべもない。いや、知ったところで知らんぷりを決め込むのだろう。
デジタル化によって、写真のクオリティはかなりの勢いで上がったと思うが、その反面カメラマンは割に合わない仕事になって来たように感じるのは僕だけだろうか?