実は今回の電子写真集の中に「Cupid note」って言うのがありますが、これは撮りためた写真ではなく、写真集・写真展のために以前住んでいたオーストラリアに10日ほどの日程で撮影に行ったものなのです。（1994年撮影）
この写真集をディレクションしていただいたのが、その当時すでに日本最高峰のアート・ディレクターだった清水正巳さんなのです。撮影に行く前に清水さんが、杉山に言われた事は「ファッション写真は撮らないでね」の一言。海外帰りのファッション・フォトグラファーとしてバリバリだった杉山は、この言葉に「ガーン」ときました。形だけがカッコいいものでなく、本当のLOVEの写真を撮る事に気がつきました。
この電子写真集は、電子写真集の性質上、ただ写真を並べただけのものです。
本物の書籍版は、使用したカット、写真の順番、写真と白いページの間合いなどが、絶妙なアート・ディレクションによって構成されています。本当は、絶版になってしまっていますが、書籍版を手に取って見てもらいたいと思っています。
おかげで、この「Cupid note」はファッション誌をはじめとするほとんどの女性誌に取り上げられ、あの週刊文春さえも5ページの特集を組んでくれました。（掲載誌は30誌を超えていました）それを見たテレビ・ラジオも取材にきたりして、渋谷PARCOでの写真展は大盛況で、杉山の人生を変えた作品なのです。
