
AIの進化によって、ビジュアル制作の方法は大きく変わり始めています。
現在は多くの画像生成AIが登場しています。
Midjourney、Stable Diffusion、DALL-E、Adobe Fireflyなど、それぞれ特徴が大きく違います。
しかし重要なのは、どれが一番優れているかではありません。
制作目的によって向いているAIが違うということです。
この記事では、代表的なビジュアル生成AIを制作視点で整理します。
画像生成AIは大きく3つのタイプ
ビジュアル生成AIは、大きく次の3つの方向性に分かれます。
① ビジュアル表現型
アート性や世界観表現に強いAI
② 実務制作型
デザイン制作のワークフローに組み込みやすいAI
③ オープンカスタム型
独自モデルやスタイルを構築できるAI
この違いを理解すると、AI選びはかなり分かりやすくなります。
Midjourney
コンセプトビジュアル制作に強い
Midjourneyは現在もっともビジュアル表現力が高いと評価されている画像生成AIです。
特にライティングや構図の表現力が高く、コンセプトビジュアル制作に向いています。
主な制作用途
・広告ビジュアルのコンセプトラフ
・映画やゲームのコンセプトアート
・ブランド世界観のビジュアル
・ポスターやアート作品
・建築や空間のイメージビジュアル
例えば広告企画では、
「近未来都市に立つ人物」
「自然と融合した建築」
などの世界観イメージを作る用途で非常に強いAIです。
ただし、
・同一人物の継続生成
・商品写真の再現
・厳密なデザイン制作
などにはあまり向いていません。
Stable Diffusion
AIキャラクターやAIモデル制作に強い
Stable Diffusionはオープンソースの画像生成AIで、カスタマイズ性が最大の特徴です。
LoRAや追加モデルを使うことで、特定の人物やスタイルを学習させることができます。
主な制作用途
・アニメキャラクター制作
・漫画イラスト生成
・ゲームキャラクター生成
・独自スタイルのアート制作
・AIモデル(架空タレント)の制作
例えば最近増えているのが、AI架空タレントやAIインフルエンサーです。
こうした制作では
・同じ人物を何度も生成できる
・衣装やポーズを変えられる
・広告ビジュアルを量産できる
といった条件が必要になります。
この場合、もっとも使われるのがStable Diffusionです。
理由は
・人物の顔を学習できる
・LoRAでキャラクターを固定できる
・同一人物を再生成できる
ためです。
実際に
AIグラビアモデル
AIインフルエンサー
AI広告モデル
などの制作では、Stable Diffusionが使われるケースが多くなっています。
つまり
「AIの架空タレントを作る」
「AIモデルを継続的に生成する」
といった用途では、Stable Diffusionが最も適したツールと言えます。
DALL-E
アイデアラフや簡易ビジュアルに強い
DALL-EはOpenAIが開発した画像生成AIで、現在はChatGPTに統合されています。
特徴は自然言語理解の強さと操作の簡単さです。
主な制作用途
・ブログ記事のアイキャッチ
・プレゼン資料のイラスト
・企画書のイメージ図
・SNS投稿ビジュアル
・教育コンテンツの図解
例えば
「AIと人間が協働する未来のオフィス」
「ロボットが料理を作るキッチン」
といった概念イメージの生成には非常に便利です。
ただし
・高度なアート表現
・キャラクター固定生成
では他のAIの方が強い場合があります。
Adobe Firefly
デザイン制作の実務に強い
Adobe FireflyはAdobeが開発している生成AIです。
最大の特徴は、PhotoshopやIllustratorの制作フローに統合されていることです。
主な制作用途
・広告ビジュアルの背景生成
・画像の拡張(アウトペイント)
・不要物削除
・生成塗りつぶし
・テクスチャ生成
・パターン生成
例えばPhotoshopでは
・人物の後ろの背景をAI生成する
・画面の外側を拡張する
・不要な人物を削除する
といった作業を数秒で行うことができます。
つまりFireflyは
新しい画像を作るAIというより
既存ビジュアルを編集するAI
と言えます。
デザイン制作の効率化では非常に強力なツールです。
結論
AIは制作工程で使い分ける
ビジュアル生成AIも、どれが一番という話ではありません。
制作工程で役割が変わります。
コンセプトビジュアル
Midjourney
AIキャラクター・AIモデル制作
Stable Diffusion
簡易ビジュアル生成
DALL-E
デザイン制作補助
Adobe Firefly
このように整理すると、AIは非常に強力な制作ツールになります。
ただし重要なことがあります。
AIは素材生成ツールです。
広告ビジュアルやブランド制作では
・コンセプト設計
・ブランド整合
・表現意図
・ビジュアル戦略
といった部分は、今も人間の役割です。
AI時代のビジュアル制作は
人=コンセプト設計
AI=素材生成
という構造で動いていくと考えられます。
まとめ
画像生成AIは急速に進化しています。
しかし重要なのはツールの優劣ではなく、制作工程での役割です。
AIを素材生成ツールとして正しく位置付けることで、クリエイターの制作力はむしろ拡張されていきます。


