
1. 問題提示:制作・写真業務で何が起きているか
最近、Xやスレッズで「プロンプト遊び」が広がっていますよね。
ある一文を入力すると、誰がやっても似たような広告ビジュアルが生成される現象です。
例えば、以下のようなプロンプトです。
化粧品の広告バナー、清潔感、みずみずしさ、肌のうるおい、20代女性向け、キャッチコピーだけ明朝体で洗練されたシンプルでスタイリッシュな印象に、アスペクト比16:9
ChatGPTに、この一文だけで、添付画像のようなかなり完成度の高い広告が出てきます。
(学習データの偏りからくる、ChatGPT特有の『AI顔』ですよね🤣)

ここで制作側として重要なのは、
- なぜ同じような画像になるのか
- それが制作として何を意味するのか
を理解することです。
2. 混乱の理由:制作・写真家側の認識のズレ
多くの人が感じている違和感はここです。
「これだけで作れるなら、もうクリエイティブは不要なのでは?」
しかし実際には逆です。
👉 これは創造ではなく、既存パターンの再現です。
このプロンプトは、
- コンセプトを作っているわけではない
- ブランドを設計しているわけでもない
👉 市場にすでに存在する“平均的な広告”を呼び出しているだけ
です。
3. 実務・市場での変化:制作工程の変質
ではなぜ同じ画像になるのか。
これは制作工程の一部が「統計的に処理されている」ためです。
■ 抽象ワードが視覚に変換される
プロンプトに含まれる言葉は、そのまま視覚に変換されます。
- 清潔感 → 白・高輝度・柔らかい光
- みずみずしさ → 水・透明・反射
- うるおい → ツヤ肌・ハイライト
これは偶然ではありません。
👉 過去の広告表現の蓄積がそのまま反映されている
■ 広告フォーマットが自動で適用される
「広告バナー」と指定した時点で、構造が決まります。
- 人物(理想的な肌)
- 商品(中央や下)
- コピー(余白側)
- ロゴ(整列)
これは本来、アートディレクションの領域です。
■ 未指定部分は“平均値”で補完される
今回のプロンプトには、
- ブランド名
- 商品デザイン
- モデルの個性
が含まれていません。
それでも成立する理由は、
👉 最も一般的なパターンで埋められるから
です。
4. 実例:なぜ誰でも同じになるのか
制作視点で分解すると、このプロンプトはかなり具体的です。
| 指示 | 制作的な意味 |
|---|---|
| 清潔感 | ハイキーライティング |
| みずみずしさ | 水・透明素材 |
| 20代女性 | 若年モデル |
| 明朝体 | 高級・繊細トーン |
| シンプル | 余白設計 |
| 16:9 | 横構図 |
👉 つまりこれは撮影ディレクションの骨子そのものです。
だから結果が揃います。
5. 役割分担整理:人の制作とAIの使い分け
ここが最も重要です。
このプロンプトで生成されるものは、
👉 成立する広告ではあるが、選ばれる広告ではない
■ ブランディングできない理由
理由は明確です。
👉 誰でも同じものが作れるから
ブランドとは、
- 違いがあり
- 理由があり
- 一貫性があるもの
です。
しかしこのプロンプトには、
👉 “なぜその表現なのか”が存在しない
■ プロンプト遊びの注意点(広告実務視点)
ここは非常に重要です。
現在流行しているこの種のプロンプトは、
👉 再現性の高さを利用した“驚きコンテンツ”
として機能しています。
- 誰でも同じ結果が出る
- 比較しやすい
- 共有しやすい
👉 SNSでは拡散しやすい構造です。
ただしこれは、
👉 制作価値とは別軸の現象
です。
■ 実務上のリスク
このまま制作に使うと、
- 競合と同じビジュアルになる
- 差別化できない
- ブランドが成立しない
👉 “無難だが選ばれない広告”が量産される
■ 正しい使い方
有効な用途
- トーン確認
- 初期ラフ
- 方向性共有
今までは制作・撮影するしかなかった領域
- ブランド設計
- コンセプトに基づく表現
- 差別化ビジュアル
6. まとめ:判断軸提示
■ なぜ同じ画像になるのか
- 言葉が視覚に変換される
- 構造が自動適用される
- 未指定が平均で補完される
■ 本質
👉 既存パターンの最適再現
■ 結論
👉 誰でも再現できるものはブランドにならない
■ 制作としての判断
重要なのは、
👉 どこで平均から外すか
です。
AIで「成立」を作り、
人が「意図」を入れる。
この分岐を設計できるかが、
これからのビジュアル制作の価値になります。
▶︎ [AI写真プロンプトの書き方|リアルな写真を作るコツ]]


