写真家の目を養うためにすべきこと?

■写真作家になる為に

「目を養うためにすべきこと」と言う事を限定してお話しさせていただくとすれば、
よく言われるように、絵画・映画・写真などの過去の名作と言われるものを良く見る事だと思います。

絵画・映画からのインスパイアされる事が、ちょっと遠くに感じられる方は、まず、写真集をいっぱい見ましょう。過去名作と言われた写真集は作家の伝えたい事、コンセプト、技法が、集約されています。
それらを真似しなさいと言っている訳ではありませんが、それらを見て研究する事によって、どういった作品が人に感動を与えたり、その写真家を有名にしたのかも理解できるようになります。

写真史が始まって以来、過去の名作が時代による新たな感性によって作り替えられているのが、良くわかります。
今まで、有名写真家と言われるほとんどの方は、過去の写真家についても良く知っていて、よく知った上で自分なりの作品を生み出しているのです。

人間と言うものは、まったく知らないものが天の声のように閃くのではなく、生きてきた中で見聞きしたものの中から、それが混ざり合って、自分の閃きやアイデアとして出てきます。
良いものをいっぱい見て、感じる事がとても大切な事はわかりますよね。
現在、販売中のものなら本屋さんで立ち読みでもいいし、図書館にも写真集はあります。

写真展についてですが、不動産の低迷により、かなりの数の写真を扱うギャラリーや写真を展示するカフェなどが増えていますが、ちゃんとしたキュレーター不在での展示が多くなってきています。時間があれば展示方法などの研究にもなりますので、足を運ぶ事も良いと思いますが、良いものだけではありません。

■職業写真家になる為に

こちらは、「写真作家になる為に」はもちろん必須なのですが、より具体的な方向性を決めている方にと言う感じでしょうか。

例えば、ファッション系写真について言えば、最近女子の台頭が著しくなってきているのは、女子はファッッションやビューティーに関して、幼い頃からいろんな雑誌を見ている事が多いのです。女子の場合、平均的な男子よりも圧倒的にそういった写真や自分がどうしたらキレイになれるのかを幼い頃から考えていますので、あまり流行遅れの写真を撮る事は少ないのです。ここでも見てきたものの違いが写真に影響してきています。

ファッションの場合は、諸外国で有名なファッション誌は、世界のトップクラスのフォトグラファーが仕事をしています。
同じように、ファッション以外でもその分野の最高峰の雑誌がありますので、そちらを見ると言うのはとても重要です。

世界のトップクラスの写真は、どれもが贅沢なスタッフやお金をかけていますので、簡単に真似をすることなどできませんが、レベルが高いものを見る事によりあなたの感性や意識だけでも高いところに持っていくことはとても重要だと思います。