モデル、オーディション

写真を撮影する上でもっとも僕が気を使うのは、モデルの選択です。というのは、モデルによって、その撮ろうとする写真のイメージが大きく左右するからです。ただそれは、僕の好みというよりは、その広告なら広告にふさわしいイメージのモデルということになります。
タレントさんやキャンペン・ガールなどを起用する以外は、撮影の前には必ずモデルのオーディションを組みます。オーディションにはカメラマン、クライアント、アートディレクター、スタイリスト、場合によっては、ヘアメイクも立ち会います。
モデルを選ぶのには、まず、写真審査で人数を絞り、そしてオーディションに呼ぶんですが、1人を選ぶのに50人くらいが来るのはあたりまえで、100人を越すこともよくあることです。それでも、イメージに合うモデルがいない場合は日にちをかえて、再度、オーディションをすることもあります。

さて、オーディション会場では、モデル本人と、そのモデルが今までにしてきた仕事などの写真がファイルされたもの(僕たちはブックと言います)を見ます。仕事の内容によっては水着になってもらったりもしますが、ルックス、プロポーション、そして性格(性格もすごく重要で、明るくて、ハキハキしていないと撮影が上手くいかないことが多いのです。)を見るわけです。
そして、写真うつりを見るために、ポラロイドを撮ったりビデオに残したりもします。

このようにモデル選びにはスタッフ一同かなり、神経を使っています。写真を撮る上で、モデル選びがとても重要なのがおわかりいただけたでしょうか。

杉山宣嗣