「写真の技術のことでなく、撮る場面や構成についての素朴な質問なんですが、ファッション関係のものや特定の製品などのポスターの場合、どんな場所のどんな風景の中で「○○をイメージして」撮る、といったコンセプトとか、構図は、広告代理店などで予め具体的に決められているものなのですか。それとも杉山さんが「こんな感じで撮ろう」と考えるのですか。例えばBABY-Gのポスターの発想など、何もない所からイメージを作っていくことが、創造的でない私にはとても不思議なのです。」

広告の写真の場合、その広告のコンセプトなるものがありますので、基本的には、広告代理店や制作プロダクションのアートディレクターがビジュアルのアイデアを出してきます。というのは、クライアントに事前にこんな広告になりますよ。(プレゼンテーション)と、いうことを確認してからじゃないと撮影を進める訳にはいかないからです。
厳密にプレゼンテーションをする場合はダミーの写真や文字が入っているコンテ(下絵?)を提出したりもします。最近はコンピュータで作った、出来上がりそのもののようなコンテを作ってプレゼンテーションしていることも多いようです。

アートディレクターが何案かを、クライアントに出して、その中から、一つを選びます。クライアントが選びきれない場合、その全部を撮影して、すべてを作った後、一つを選ぶ場合もあります。こんな時はスタッフ一同、大変です。世の中に出ない名作?の写真もたくさんあります。

例をあげて説明しましょう。

BABY-Gのポスターの場合はアートディレクターが出してきたアイデアは、このBABY-Gは消費カロリーが計算できる時計なので、女性のヌードでアクティブ、スポーツをイメージする写真を撮りたいということでした。アートディレクターと僕との打ち合わせで、走っているところ、ジャンプしているところを撮影しようということになり、撮影当日にいくつかのスチュエーションで撮影するわけです。
今回の場合、構図やモデルの表情などは、カメラマンである僕がまかされて撮影しています。走ったり、ジャンプしたり、そのすべての動作、ポーズ、細かい注文をモデルにします。今回は約300カットの写真の中から5点ほどを選び、その後、商品写真、文字などを組み合わせ、クライアントに見せ、この広告にふさわしい1カットを最終的に選びました。

広告写真の場合は、ディレクターなどとの共同作業になる場合がほとんどで、カメラマンの独断で進めることはできないことが多いのです。

例外として、PENTAX-ESPIOのカタログの写真は、カメラの機能を表現できていれば、カメラマンにまかせる、ということだったのですべて、僕ひとりで決めて撮影しています。

雑誌などの編集(エディトリアル)の写真などは、カメラマンが中心になり、編集者、スタイリストなどと打ち合わせをし、スチュエーションを決め、ポーズや表現方法などはカメラマンが決めます。

タレントの梶原真弓さんの写真集は、すべて、カメラマンである僕がすべてを決め撮影し、どの写真を使うかは編集者との打ち合わせで決めます。もちろん、タレントさんサイドの最終チェックもします。

まったくのカメラマン個人の作品集(僕の場合、CUPID NOTEやBOY+1など)以外は、いろんなスタッフとの共同作業で進めていきますので、ただ単に綺麗な写真ということでなく、いろんな約束ごとなどもふまえて、クライアントも喜び、見た人も感動?させる、全ての人がハッピーになれる写真を撮ることがとても大切になります。

ふう、文章で伝えるのは、とても難しいです。うまく伝わるかなあ?

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